電力自由化に伴う現状

電力自由化はそれまでそれぞれの地域を管轄する北海道電力・東北電力・東京電力・北陸電力・中部電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力の10社だけに許されていた発電事業と電気小売事業を10社以外にも出来るようにする、という物で電力業界の寡占状態を解消すべく1993年に総務庁が経済産業省に勧告し実現した物です。

この勧告に従い1995年に電気事業法が改正され2003年より段階的に自由化が進み現在に至りますが現状はどうなっているのか? をまとめてみました。

電力自由化は「発電事業」と「小売事業」の2種類がありますが、ここでは「発電事業」に焦点を当てて現状をまとめてみる事にします。

発電事業の現状

従来は「一般電気事業者」(従来から有る電気会社10社を指します)のみが行っていた事業ですが発電事業の自由化に伴い現在では色々な企業が発電事業に参入していますが、発電した電力は一部の例外を除き、全て「一般電気事業者」を経由して消費者に提供されています。

電気事業は発電・送電・小売という3の機能が揃わないと出来ないのですが、この中の送電だけは全国規模の送電網を持つ一般電気事業者の設備に頼らざるを得ないので、このような仕組みになっているのです。

送電設備の設置には巨額の投資と長期間の工事が伴い定期的な点検保守も行わなければならないのでやむを得ない事でしたが、一般電気事業者側が新規参入社を排除するために送電網の使用料を高額にする懸念も有りましたので経済産業省は事前に一般電気事業者10社に送配電網の維持と保守にかかるコストを計算させて、それを元に配送電網の使用料に一定の歯止めを掛ける処置を取りましたので発電事業の新規参入が現実的な物となったのです。

新規参入してきた事業者は多種多様で規模もそれぞれでしたので一般電気事業者10社はそれぞれの新規事業者と規模に応じた契約を交わし発電事業の自由化が本格的に始まりました。

電子ブレーカーで有名な株式会社ネオコーポレーションがこの事業に携わっていますので、問い合わせてみれば詳細が聞けるかもしれません。

契約内容により卸電気事業者・卸供給事業者・特定規模電気事業者・小規模発電事業者と分類されています。

列挙した順番に規模が小さくなります。

この他に「特定電気事業者」という物がありますが、これは独自の送配電網を持っており一般電気業者10社との契約が無い発電業者です。

特定電気事業者は「特定の施設や地域」に電力を供給する事を目的としているので「特定の施設や地域」以外の所では、その電力を買う事は出来ません。

例としてJR東日本やOGCTS(大阪ドーム周辺設備に電力供給)等があります。

卸電気事業者・卸供給事業者・特定規模電気事業者は大規模な発電設備を持つ工場や企業が中心で一般家庭への電力供給も認められており、近年、競争が激化しているのはご存じかと思います。

これらの事業者は元々自前で発電をして自社工場で使用していたのですが余った分はやむなく捨てていましたので、まさに自由化の意義が有る物となっています。

現在では日本卸電力取引所(JEPX)という電力の取引市場も有りますので、もし電力が供給出来ない場合は市場調達する事も可能なので、これらの事業者と電力購入の契約をしても送配電網が壊れない限り停電という事態は発生しない仕組みになっています。

これらの事業者は一般電気事業者10社に送配電網使用料を支払うという形で契約を結んでおり一般電気事業者側から見ると「発電しなくても収入が発生する」という事でちゃんとメリットが存在しており、うまく共存共栄が出来る状態となっています。

小規模電気事業者の現状は厳しい

その一方、小規模電気事業者と呼ばれる事業者は現状では非常に厳しい状況に立たされています。

小規模電気事業者は一般電気事業者10社に「電力そのものを売る」という形の契約になっているのですが福島原発事故の影響で再生可能エネルギーとして太陽光や風力による発電が脚光を浴び当時の民主党政府が一般電力事業者10社に一定期間、全量を買い取るよう義務付けた政策を取った事も有り再生可能エネルギーバブルとも言える位に小規模業者が殺到しました。

しかし太陽光や風力による電力は買取価格が高く結果的に電気料金の値上げという事態に発展してしまい、やむなく政府は段階的に電力の買取価格の引き下げを行ないました。

一部の一般電気事業者では「今後は小規模事業者との契約数を制限する」という発表をした所も出てしまいました。

その結果、太陽光、風力発電事業に参入した多くの事業会社に倒産が相次ぐ事態となっています。

また一部の地域ではずらりと並んだ太陽光パネルが景観を損ねるなどの苦情が出たり風力発電機も低周波発生問題や発電機器の耐久性の問題が露呈したりと再生可能エネルギーを主体にした事業者は色々な問題に直面しているというのが現状です。

ここで気になるのは一般住宅に設置した太陽光発電の売電です。

法律で2020年3月までは現在の売電契約が継続できる事は保証されています。

ですが契約更改時に買取価格が下がるのはほぼ確実です。

ですので蓄電池を利用する等して自家消費量を増やす方向に方針変更された方が賢い選択と言えそうです。

 

ネオコーポレーション